ほんとの空は見えたのか・・・ vol.7 安達太良山
森林限界の先へ・・・
赤茶色の土やごつごつと転がる大小の岩、登山道の姿が標高の高さを教えてくれる。
森林限界を超え、視界は良くなったのだが、肝心の空模様は芳しくなく一面の雲が空を隠していた。
ほんとの空を見に来たはずなのにという思いは歩きながら心の片隅に常にあった。
もちろん自然相手のことなので仕方がないのだが、そうそう気軽に来れる訳ではないので何とも残念ではあったが、頂上に上がる頃には青空が見えるのではないかという僅かな希望を信じて頂上を目指し続ける。
それからしばらく経つと登山道が広くなる、というより何処を歩いてよいのか分かりづらい場所がよくあった。もちろん所々目印はあるし、ロープが張られている場所もあるのだが、ちょっと惰性であがっていると知らずのうちにコースを外れていることが何回かあった。
それというのも、ここまで登ってきたは良いものも雲が立ち込めているせいで、どこが山頂なのか良く分かっていないことも一因にあったのかも知れない。
疲れもピークを迎え、ゴールもイマイチ分からず、ちょっとしたコースロスを繰り返したせいか、心ここにあらずといった感じで歩を進めていた。
そんな時、遠くからもはっきりと確認できる岩に記された目印を見て、何の考えもなくそちらに向かった自分は大きな後悔をするのであった。
以下次回